SUITS/スーツ

ファッションディレクター大西陽一が分析 「SUITS/スーツ」のスタイリング ここが見ドコロ

ファッション誌をはじめ、俳優やタレントのスタイリングで活躍されている大西さん。

コレクションやショーを始め、世界中のお洒落な人々を自身でスナップしコメントをされていることでも知られています。

その大西さんに「SUITS╱スーツ」をじっくりと鑑賞してもらい、スーツやドレスの着こなし、

オケージョンに合わせたファッションなどについて語ってもらいました。

 「各登場人物のスタイリングは、細部にまでとことんこだわっていて、毎回感心して見入ってしまいますね。正直、日本のTVドラマでここまでキチンとしたスーツやオフィススタイルを作り込んでいるものは皆無です。そもそもスーツというものは、きちんと身体にフィットしたものを着るべき。これが疎かになっていることが非常に多く、ガッカリしてしまうことがしばしば。だから登場人物の誰もが自分のサイズにあった洋服をキチンと着こなしているということは本当に凄いことなんです。特に必見なのは、ハーヴィーがマイクにちゃんとしたスーツを買いにいけと指示している場面(第1話)。ニューヨークならではの高級セレクトショップでキチンとサイジングをして、自分の身体にジャストフィットなスーツを選んでいるのがよくわかります。

 またシーンやオケージョンに合わせたファッションを選択し、その場の雰囲気を決して崩さないことを表現していることも重要です。クライアントとの打ち合わせ、法廷での裁判、パーティー……、ハーヴィーやジェシカはそれぞれに適するファッションを当たり前のようにしています。日本の場合、そのあたりの感覚がユルくて、どこでも同じ格好という方が多く見受けられます。エグゼクティブな人々はハーヴィーやジェシカのように、ファッションにこだわりを持って気を配るのが当然、そんな感覚が日本でも定着することを期待しますね。マイクもきっと仕事の成功とともに、スーツスタイルも変化していくはず……、そんなことも楽しみにしながら、『SUITS/スーツ』で最先端のNYファッションをぜひチェックしてください」